コピー機には、湿式と乾式のものがあり、どちらの複写工程も、原稿と複写紙を密着させ、複写機内を通過させながら紫外線を照射します。
新しい情報にきちんと追従して、アーカイブの保守をしていく作業がものすごくたいへんになってしまった。
大規模なデータベースというものは、常に更新されるような情報をあつかうにはあまり適していないのです。
幅広い分野の最新情報を集めるのはたいへんむずかしいし、その集めた情報をきちんとデータベースに反映させる労力がたいへんだからです。
そこで、WAIS(ウェイズ)やArchie(アーチー)と呼ばれるようないくつかの方法で、分散された情報を検索する仕組みをつくろうという試みもでてきました。
これは、どこに何があるかという情報を検索用の索引のデータベースとして―生懸命つくって、そこから情報が集中して置いてあるところを発見しようという仕組みです。
一時はうまく働くこともありましたが、やがて索引をつくる作業自体が大きな労力を必要とするようになって、やはりこれも、急激な規模の増大に耐えられるよい答えだったとはいえないようになりました。
こうして、ひとつひとつの情報を集めるのはむずかしいし、検索のための索引をつくるのもたいへんだということがわかってきました。
それにそもそも検索の仕組みはつくり手によってインターネットの空間という、情報のとらえ方が違うために、すべての人にとって役に立つのはむずかしいわけです。
つまり―人ひとりそれぞれの視点があるのに、ひとつの見方で情報のありかを把握していくのはむずかしいということがわかってきました。
ここで、せっかく世界中のコンピュータが全部つながっているモデルがほぼ確立しはじめたのだから、こういうことができないだろうかと考えた学生がいました。
すなわち、バラバラに置いてあるデータはそのままにしておこう。
そのかわり、そのデータに関連して置かれているデータの所在を示す指標(リンク)を置こう、というものです。
この情報の関連情報はあそこにある、これ以上のことを知りたければあそこにあるという形で、情報に指標をつける、そして自分が関連情報をもっているならば、自分への指標をつけよう。
こういうことをみんながするというルールを守れたら、それでよいのではないだろうか。
そうすると、誰も情報を集める努力をしなくてよい。
ある情報を考えた人が、その情報に関してはくわしい人なのだから、その人が知っている必要な情報をお互い指さすことにしよう。
これがどんどん発展していけば、必要な情報は、この指さししている方向をたぐっていけば集めることができるし、しかもその仕組みが、平均に分散したみんなの努力でできるのではないかというのです。
この仕組みがどんどん広がっていくと、地球上の知識と情報はお互いの関連のなかで指さされたり、指さしたりすることにより、非常に複雑な「意味のネットワーク」ができてきます。
そのなかのひとつひとつの情報からみれば、指標はその情報の所有者の視点でつけられているのですが、それが前の章でもふれた冗長性を許すことになります。
つまり情報をたぐっていく道筋は―通りでなくてよい―通りではないほうがよいというわけです。
ひとつの情報につけられる指標は一つでなくてもよいので、この指標はたいへん複雑に絡まるのですが、それゆえに、指標のある情報は、その視点をもった指標の集まりというものをつくり出すことができる。
ワールド・ワイド・ウェブ(www)このようにして、世界中の知識や情報はそれぞれは完全に自立しながら、関連の情報に対する指標をもつことになりました。
これは情報や知識に対する視点を―人ひとりが自由にもつことにつながってきます。
この仕組みによって、世界中の情報がお互いに複雑に絡まってインターネットの空間編まれるので、ワールド・ワイド・ウェッブ。
ウェッブは「くもの巣」の意味)と呼ばれるようになります。
あとは、情報につけられた指標をたぐっていくソフトウェアがあれば、自由に自分の見方で、求める情報を探すことができるわけです。
そのソフトウェアとして「モザイク」が最初につくられました。
この「モザイク」を自分のコンピュータ上で動かすことによって、指標をたぐっていくことができるようになり、これでワールド・ワイド・ウェッブという世界が出来上がったのです。
このモザイクはきわめて有効に働きました。
ワールド・ワイド・ウェッブ自体が大きな分散システム、あるいは分散されたコンピュータの力を有効に引き出す構造であったことと同時に、モザイクが、基本的には画面に表示されたボタン類を選んでいくという操作方法で、それまでコンピュータを知らなかった人でも簡単に視覚的に操作できたことが、その爆発的普及の原因でした。
簡単な操作で、世界中のコンピュータがつながっていること、さらにそのコンピュータにはそれぞれのユーザーがいて、知識や情報がその人たちの手によって蓄えられているということのメリットを、うまく引き出すことができたのです。
その後、この種のソフトウェアは、ネットスケープ、ホットジャバなどいろいろな技術を利用して、新しいものが生まれてきています。
これらによってインターネットの空間は、大きな特徴をもちはじめました。
指標をたぐりながらどんどんいろいろな知識を獲得していくことができる―こういうことから、「ネットサーフィン」というような言葉も生まれました。
知識や情報がどこのコンピュータにあるかということをいちいち意識しないで、あちこちへ行けるということです。
もうひとつ重要なことは、この指標は誰でもつくれるということです。
つまり、知識や情報に対する視点が完全に分散して独立した自立したものを、各個人がいくらでもつくることができるというところにポイントがあります。
現代の百科事典このワールド・ワイド・ウェッブを通じて得られる知識の体系には、その知識の編集のどこにも権威が存在していないことに大きな特徴があります。
ワールド・ワイド・ウェッブは現代の百科事典だという人がいますが、従来の百科事典は権威のある人がデザインをつくってインターネットの空間、執筆して知識を体系化したものです。
それに対してワールド・ワイド・ウェッブから得られる知識の体系は、各個人が勝手に選んでつくった知識の体系ですし、自分の情報をそのなかに加えていくことができるので、フラットな知識の体系の編集となっているわけです。
こういったことができるということから、ワールド・ワイド・ウェッブの世界では新しいいくつかの問題も起こってきます。
一つは、この体系がどんどん発展していけば、そもそも「価値」というものをどのように考えていけばよいかという関心を高めるでしょう。
たとえば従来の百科事典ならば、ある項目については一通りの、権威ある記述しかないわけですが、ワールド・ワイド・ウェッブで情報をたぐっていった場合、何通りも0記述に出くわしうる。
そのなかで選択することが必要になるのです。
また、知識の体系が非常に規模が大きくなってきたときに、どういうルートで指標をたぐっていくかも大きな問題です。
人それぞれでよい、とだけ言っていてはすまされないということもありうるでしょう。
これはいまのところそれぞれの指標をつくっていく人の努力が全体で象なっていますが、このなかにはたいへん重要な仕事を要求して、指標自体の信憑性とか質を問題にしていく向きもあります。
そのような努力をする人かインターネットの空間のなかに現れてきているのです。
スタンフォード大学の学生が行ったYahoo(ヤフー)上いうプロジェクトはその一つでしょう。
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